先月、Andorraの前に某先生からの問い。
「別府さんの強みは何?」
「えーっと…。マイペースですかね?」
「マイペースってなにさ」
「突っ込まないことです。慎重に走りはじめて、オーバーペースにならないです」
「ふぅん。他には?」
「胃腸トラブルがないことです」
「他は?」
「眠気も大丈夫です」
「他は?」
「うーん…。そんなとこですかね」
「うぉい!武器たくさんないとしんどいぞ?!いまから新しい武器とは言わん。手持ちの武器を整理しときなよー」
「ぐぅ」
というやりとりがあった。
しんどいときは、いかに自分を信じることができるか。
ただ信じることができる人もいれば、裏づけがなきゃ駄目な人もいる。
やれるだけのことはやった、と思う準備がいつもできるとは限らない。
直前にできることは、武器を整理しておくこと。漏れなく、具体的に整理しておくこと。
「マイペース」ひとつとっても、だいぶぼんやりとしている。
タイムスケジュールを作ることができる、実行できる、大きなトラブルが少ない、ところでそれってなんで少ない?
強みを整理していくと、弱みや避けたい状況も見えてくる。
勝負にいかないこと、胃腸・眠気トラブル、怪我はNGであること、などなど。
整理を進めていくと、明らかになることひとつある。
強みは、想像以上にあるということだ。
アレッ?こんだけ?と思った時点から、粘ってひねり出し整理してみると、あんがい出てくる。
僕は、「あなたは必要なものをすでに持っている」という考えが好きだ。
これは「足るを知る」という老子の考えともリンクしている。
流行りの自己肯定感にもつながるものだろう。
強みである武器を整理すると、もうすでに必要なものは持っていることが明らかになっていく。
もっと好きな考えが、「あなたは必要な人とすでに出会っている」というものだ。
強みである武器は、自分が持っているものだけではない。
例えば、「Aさんとあんな練習をした」とか「Bさんから応援の言葉をもらった」とか、「Cさんから具体的なアドバイスをもらった」とか。
誰かの支えも武器になる。
落ち着いた心で、武器を整理する。
武器が明らかになったなら、僕のレベルは関係ない。
レベル1だろうが99だろうが、武器をもって外に出たなら、僕はひとりの勇者だ。
あとは山に入り、没頭するだけだ。もし魔物に会ったなら、倒すだけだ。
山を降りて街に帰ると、経験値が増えている。ともすると、レベルが上がっている。
こんな楽しいゲーム、なかなかないなぁ。