約11年前。
学校を出たての僕は、証券マンでした。
引きこもりを克服した僕は、
偶然拾ってもらった中堅の証券会社で社会人生活をスタートしました。
2008年。そう、リーマンショックの年。
僕は個人のお客さま向けに、ひたすら足で稼ぐ証券マン生活をスタート。
配属後の5月から数か月後訪れた、100年に一度の金融危機。
所属する会社の先輩証券マンや競合他社の証券マンが、
下を向いているとき、僕は水を得た魚のように営業しまくりました。
これは千載一遇のチャンスだ。
経験値で圧倒的に劣る僕が、情熱をもって圧倒的な時間を投下すれば、
必ず勝てる戦いだと確信していたのです。
平日はもちろん土日も朝から晩まで営業しました。
とにかくスーツを着て、日経新聞や株式チャートなどの資料や商品パンフレットをもって、一日中お客さまを訪問し続けました。
そのとき、僕の心の支えとなっていたもの。
当時の日経新聞で、投信の基準価額ページの広告欄に突如現れたもの。
毎日毎日、勇気づける言葉を載せてくれました。
この人は、相場をわかっている人だと直感しました。
いったいどれだけ下がるんだ?
もうだめだ。
生粋の証券マンでさえ、そう思う下げのあった翌朝。
松本大は広告で。
たった一言。
「明けない夜はない 松本大」
僕は涙がでるほど嬉しかったし、勇気をもらいました。
僕はそれからもしばらく、無茶苦茶な時間を投下。
元引きこもりで、おそらく日本で一番口下手な証券マンでしたが、
中堅規模の証券会社でしたが、
今も破られない新人レコードを記録しました。
危機はチャンス。
危機に投下した努力は、通常時の努力の何倍も見返りがあるとういうことを学ぶことができました。
ハートがあれば、乗り切れます。